東城高校学校活性化地域協議会

本日は、東城高等学校の活性化地域協議会のメンバーとして島根県邑智郡にある「島根県立島根中央高等学校」に研修に行って参りました。

この学校は、2004年に島根県が再編成による「川本高校」と「邑智高校」の統合計画から生まれた創立8年目の学校です。
島根中央高校がある邑智郡川本町は、島根県の中山間地域にある人口およそ3,600人、高齢化率43%の町です。
学校に入る前に、市街地をぐるりと回ってみましたが、車だと5分たらずで通過してしまう典型的な過疎の町と言っても良いと思います。
学校規模は、1学年3クラスで、生徒数231名。三次地域で言えば日彰館高校ぐらいの規模です。
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県内33中学校203名、県外28中学校28名の生徒が通っています。県外は、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、岡山県、広島県、福岡県と多くの生徒を受け入れています。
文章をだらだらと書いてもわかりにくいと思うので、この学校のすごいところを箇条書きにしてみたいと思います。

島根県立島根中央高等学校の素晴らしい取組について(島根県・川本町を含む)
・島根県から3年間で1,500万円の学校の魅力活性化事業費が助成されている。(現在8校に対し施行)
・ホームページやリーフレットを私学に負けないようなPR効果をもたらすものを作成している。特に県外募集にはホームページが効果的。
・東京、大阪で年に2回、単独説明会を開催している。
川本町役場まちづくり推進課に島根中央高校専属の「地域コーディネーター」を配置している。
・校内に学習専用教室を整備している。その部屋では夜20時まで生徒が自学習できる環境を整えている。(教室は川本町が整備)
・進学希望者の中より、夏休み期間中に東京の進学ゼミに参加できる。(川本町が半額の費用補助)
・吹奏楽部は全国で優勝している。
・「ふるさと学」で、地域の文化伝統の学習だけでは無く、石見銀山の保全活動など、地域社会の課題や可能性を考察している。
・「まちごとキャンパス学習」では、毎週金曜日5,6時間目に地域の事業所で実習やボランティア活動を行っている。
・高校付帯の県立寮と、川本町が廃校となった小学校に整備した寮が二つ存在し、町立の寮は町が管理している。寮費は月額28,000円(昼弁当付き)
・九州大学、岡山大学、広島大学などの国公立大学に毎年10数名、難関私立大学に10名程度送り出している。
・学校説明パンフレットは川本町が作成し、積極的に県内外にPRしている。

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1日では、全てを図り知ることは到底できませんので、これまでには相当の苦労があった事と思いますが、同じ中山間地域に存在する県立高校としてこの素晴らしい取組に対して、驚くばかりでした。

まず一番の魅力は、島根県が各学校が活性化に取り組めるように各学校が自由に使えるように1,500万円を助成している点もですが、なにより、地元自治体が全面的に協力をしている点です。

わが庄原市はどの様に考えているのか気になるところです。
学校を存続させて行く事は、自治体が抱えている様々な課題を同時に解決できる事もあると思います。
たとえば定住、雇用、経済活性化、福祉など。

活性化協議会には、庄原市もメンバーとして入っています。
本来ならば、県が高校を無くそうとしている実態に対し、庄原市が学校存続のために、庄原市の地域力を保つために、地域に対して積極的に仕掛けていくのが役割だと思いますが、現段階では地域と学校に任せているだけに思えます。過去はどうあれ、現在、地域は一生懸命に知恵を出しこの難関を乗り越えようとしています。この現状に対し、庄原市も大きく門戸を開いて受け止めてくれる事に期待したいと思います。

もちろん、そのために子育て世代として、庄原市民として、議員としてこの問題に取り組んで行きたいと思います。

不可能(これまでの常識)を可能(新しい構造)に変えないと地域は生き残ることが出来ないと感じた1日でした。

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