研修報告

大変遅くなりましたが、
熊本地震にてお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。また、被災地への復興支援にご尽力されている皆さまに深く敬意を表します。

5月12日~13日で、日本自治創造学会主催の研究大会「地方が創る日本の未来」に参加してきました。
絶対的な数字を根拠に、新しいまちづくりについて講演される「藻谷浩介氏」
元厚生労働省事務次官 「村木厚子氏」
スーパー公務員として活躍されている、元小樽市職員「木村俊昭氏」
など、他5名の先生方の講演を聞かせて頂きました。

藻谷さんは相変わらずの口調で、「イメージや空気と事実は違う」「現実の数字をちゃんと見る」と言う視点で話をされました。
今回は、出生率について話されましたが、驚くべきデータを元に話をされました。
なんと、現在の出生率でこのまま人口減少が続くと、90年後には現役世代(15歳~65歳)はゼロになるペースで減少している。
また、これまではトヨタという企業があり、財政豊富で普通交付税の不交付自治体でもある愛知県豊田市でさえも、90年足らずで現役世代がゼロになるという。
しかし、群馬県上野村では110年、島根県海士町では300年現役世代がいなくなることは無いという。
上野村においては、すでに「老人のなり手」が居ないとの話でした。
私自身は、ある種の数字遊び的な表現であると感じてはいますが、これを現実と捉える事で、その自治体が進むべき方向性が見えてくる事だと考えています。

村上厚子氏は、皆さんもご存じの事と思いますが、2009年に障害者郵便制度悪用の疑いで逮捕されましたが、その後部下の逮捕により無罪となり、2010年に復職され、2013年~2015年9月まで厚生労働省事務次官を務められた人物です。
村上さんは言われました、「変えられない事と、変えられる事がある。ならば変えられる事をどうしていくのかが大切である」
ここで言う変えられない事とは、団塊の世代の人たちが75歳という後期高齢者になると言うこと、あるいは子ども達の現象により、経済を支える現役世代が急減すること。変えられる事とは、さらにその先の将来のため、現在の出生率を上げる事などの、そのための施策を講じる事をさしています。

昔から常に「政治は変わらなければならない」と言われて来たが、今こそ本当に変わらなければならない時期が来たと強く感じます。
昔の変わらなければは、汚職や金権政治からの脱却の様な意味合いがあったような気がします。(もっとも現代でもそういう意味で変わらなければならない政治家もいますが・・・)  しかし、現代の変わらなければの意味は、本当の意味で、地方に活力を呼び戻すために変わって行かなければなりません。生活困窮者の問題など社会福祉の課題はあるものの、現在の地方は現状ならばまだなんとかやっていけると思っている人も多いと思います。しかし、人口減少、高齢化社会という大きな波が寄せてきている状況においては、これまでと同じような財政の振り分けを行っていては現状維持どころか、消滅可能性自治体が事実になる事も十分に考えられます。もちろん、庄原市もその渦中にいるわけです。

自治体の予算を見るとき、よく「まずは無駄をなくせ」と言われます。
しかし、現段階ではそれは無駄ではないのでは無いかと思っています。ある人から見ると無駄、しかしある人にとっては大切な事。その様な積み重ねによりここ数十年間自治体運営が行われてきました。では、これらの判断基準をどこに設定するのか、これが一番大切な事です。 私はまず、庄原市の将来をしっかりと定義する事。そしてその定義を総ての市民が同じ方向性を向くこと。それを常に意識しながら将来構想を描き実現していく。もちろん社会保障については無駄という観点から考えるべきでは無いとは思いますが、まずは、子どもから高齢者まで1度フラットにして再度、仕組みを構築していく事を目指して努力していきたいと思えた研修会でした。

庄原市議会への報告書はこちらです。
平成27年5月12日~13日東京研修報告書(会派個人用)
同時に3月に行った研修報告書を掲載しておきます。
h28年3月29日~30日総務省並びに農林水産省調査・研修報告書(会派個人用)

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